前回メキシコでバイクを全損して、
もうこんな馬鹿な事は止めようと思ってたのですが、よく人に「今度は何処行くの？」
と聞かれるので、なんだか行かなきゃいけないような気分になり、
かねてより有名なチェンマイのレンタバイク屋でバイクを借りて、
タイ北部山岳地帯をツーリングする事にしました。前回の失敗に凝りて、
今回はとにかく安全に、完走することを目標にしました。
でもゴールデン・トライアングルや中部の仏教遺跡はなんとしても押えたい処だよなー。
レンタバイク
チェンマイの城壁沿いにレンタバイク屋が何軒もあります。
値段はヤマハのメイトが９０Ｂ／日、ヤマハのＴＤＸ１２５が２００Ｂ／日位のようです。
うち一軒に状態のいいホンダＸＬＲ２５０Ｒがあり、これは３８０Ｂ／日とちょっと高いんですが、
迷わずこれに決めました。航行距離がそこそこ長そうで、丈夫そうだったからです。
それと私の経験から言って、ホンダのバイクは故障時の対応が抜群にいいので、
異国でのマシントラブル時に一番安心できます。最もこのＸＬＲの整備は完璧で、
６日間走ってトラブルなしでした。
ツーリングコース
チェンマイ->メーサイ->ナン->スコータイ->ランプーン->メーサリエン->チェンマイ。
おすすめコースはミャンマー国境の町メーサイからゴールデントライアングルを通って、
ラオス国境付近をメコン河沿いに南下する道、ここは観光コースじゃないので快適です。
但しトェンからナンに抜ける山道はかなり険しい。
あとミャンマー国境近くを走る１０８号線も素敵です。
沿線は山岳少数民族の居住地で、道往く人々の衣装を見ているだけでも楽しい。
いずれにしても、あまりガンガン走るのは危険なので、景色を楽しみながらゆっくり行こうね。
ゴールデントライアングルはアヘンの産地としても有名で、
なんとなく恐そうですが、私は少しも危険を感じませんでした。
悠々と流れるメコンと、その向こうのラオスのジャングルに感動しました。
ところでアヘンと言えば、タイでは麻薬は持ってるだけで懲役２５年の刑ですからね。知ってるね。
優しいタイ人
以前バンコックに来た時には、
変なおっさんにだまされて金を巻き上げられる、綺麗なお姉さんにだまされて金を巻き上げられる、
子供にツリ銭をごまかされる、バイクタクシーの運転手とは口論になる、さんざんだったのですが、
今回は全くそういう経験がなく、法外な値段をふっかけられる事もなく、
実に楽しく旅行が出来ました。これがタイの素顔なのでしょう。物価もほぼ固定していて、
飲料水が５Ｂ、コーラが８Ｂ、ガソリンはスーパーがリッター９Ｂ位、
ヨソモノの私にも同じ値段で、皆優しく親切な人々でありました。
びっくりする位英語が通じないのがタマにキズですが。
狂暴なタイ人
ところがそのブッダのように温和なタイ人が、
手のつけられない程凶暴になる事があります。自動車のハンドルを握った時で、
全域が大阪中央環状線状態になっていると言っても過言ではないです。
とくに交通量の多い幹線道路が恐い。片側一車線道路でトイメンの車が、
こちらがバイクだけだと追い越しをかけて来るのですが、路肩より１、５ｍ位をあけて
（つまりバイクはここを抜けろという事）、１００Ｋｍ以上のスピードですれ違って行きます。
これはめっちゃ恐い。
対行車が道いっぱいに走って来て路肩に飛び降りた事も一度や二度じゃありません。
ただでさえ暑くて体力的にしんどいので、ある程度経験のあるライダーでないと、
ツーリングは厳しいように思います。現に私はわずか６日間で、２回も交通事故を目撃してしまった。
宿
いつものように飛び込みで適当に探したのですが、
ある程度の大きさの町にはゲストハウスが何軒もあり、全く不自由しません。
１２０ー１５０Ｂ位でシャワー・トイレ付きのところを一番よく利用しました。
この値段でもホットシャワー付きのところも一軒ありました。
逆にシャワー・トイレ共同のところも一軒あった。
タイ米も旨いぞ
暑い国という事で食当たりの心配をする向きもあるかもしれませんが全然大丈夫、
私は道端で売ってる果物をガツガツ喰い、出される水はガブガブ飲みましたが全く問題なしで、
毎日大飯をかっくらっておりました。昼飯はいつも道端の露店で食べたのですが、
三食に一食位、すごく美味しいものにあたり、三食に一食位、とんでもないものが出てきましたが、
これはこれで楽しい。２０ー３０Ｂ位と安い。
カンペーン・ペッ仏教遺跡ではアイスクリーム御飯という、変なものも食べましたが（５Ｂ）、
これは以外にイケますね。夜は毎晩のようにシンハビアを飲んでましたが、
レストランでも食堂でも大瓶で５０Ｂ位だったかな。
走る不動尊
私が走り始めたのは４月１２日で、
偶然にもこの日はタイの旧正月、あちこちで大騒ぎでした。どんな騒ぎかというと、
ただひたすら水を掛け合うのです。道路沿いに大人も子供もずらり待ち構えていて、
バイクや自動車、通行人にバケツや手桶でバシャッとやるのですが、
こんな状態がまる４日間も続きます。俺は法善寺のお不動さんか？
こちらは６０Ｋｍとかのスピードで走ってるので、
バケツ一杯の水の塊に衝突し続けるのは結構こたえました。
なぜか映画
なんの因果か私は映画が好きなのですが、
ちょっとした大きさの町にはかならず映画館があり、夜８時半位から上映しているので、
宿でシャワーを浴びて飯喰ってから観るのにちょうどいいですね。
入場料は１５ー２０Ｂ程度で、香港映画やタイ映画の人気が高いみたい。
香港物はタイ語に吹替えられていますが、十分に内容がわかってしまいます。
バンコックとかの都会ではアメリカ映画をタイ字幕付きでやっていて、
こういうのは入場料が４０ー６０Ｂ位。スクリーンが素適に大きく、
前の方の席が安いのが嬉しい。
総評
とにかく猛烈に暑く、四輪は荒っぽく、
なかなか大変ですが、それを除けば人は温和で、旅行者に無頓着で、
とってもいい所です。道路の状態も誠によろしく、もはや先進国ですねこの国は。
そこそこ安全だし、ツーリングにこそしんどいですが、
普通に旅行するなら北部タイはいいところだと思います。
＃ラオスに行きたい・・・ミャンマーに行きたい・・・