『ディア・ドクター』 (2009日) 西川美和　/ TOHOシネマズ ららぽーと横浜

限界集落(?)の診療所で働く中年医師のところに、若い研修医がやってくるというお話。 超一流芸人・笑福亭鶴瓶の素材をいじらずそのまま使ったのが良かった。 テレビや寄席で見る彼そのものだが、この映画ではそれでいいのだ。 事故を起こした研修医が目覚める件や、八千草薫(!)が夜、バイクの音を聞きつけるとかも好き。 他の役者もいい。余貴美子のようなスーパー看護師がたまたま診療所にいた、 なんてありえへんけど、いいじゃないか、別に。 僕は好きな映画です。結構人も入ってました。

『おと・な・り』 (2009日) 熊澤尚人　/ ワーナーマイカルシネマズ港北

麻生久美子と言う映画俳優は信頼できる。 この女優は映画に人生をかけて取り組んでいるのがスクリーンから伝わってくる。 内容的にはトレンディドラマ（って死語か？）だが、麻生久美子と市川実日子を上手く使ったと言うだけでも、 この映画はポジティブに評価できる。フランス語を練習しているヒロインが、 最初日本語発音だったのが、徐々に上達してめっちゃ難しい"r"の発音まで上手くなっていくという、 細かいところだが"ゆきとどいた感"が得らる。彼女は確かイギリスに語学留学していた筈で、 ジャリリなんて渋い監督作品にも出ていたけど、外国からも仕事がもっと来ないかな。

『セントアンナの奇跡』 (2008伊米) スパイク・リー　/ TOHOシネマズ ららぽーと横浜

第二次大戦中、イタリアで独軍と戦う黒人部隊の話。 ドイツ軍からの扇動放送を聞きながらじりじり草原を進むあたりとか、 踏切の上で引き返すジープとか、 最後の村の中の狭い路地での戦闘とか、緊張感があっていいと思うのだが、 一方コーヒーをこぼしてカップが割れたりとか、やや演出過剰でパターン化された描写も目につく。 まぁでも総じていい映画だったと思う。 マリックの「シン・レッド・ライン」では黒人兵は前線には出てきてませんでしたが、 イタリア戦線では出てたんですね。