『カムイ外伝』 (2009日) 崔洋一　/ ワーナーマイカルシネマズ港北

白戸三平の超有名劇画の映画化。忍者どうしの対決をＣＧを使って、 今や定番となった香港発祥のチャンバラに仕立てたもの。 最早長い伝統を誇った和風のチャンバラは絶滅したのか、残念だが今は我慢の時だろう。 しかしなんてったって小雪がいいな。 何とか島の漁村のセットの雰囲気もリアルで好きだ。 "カムイ"と言うネーミングからもっと縄文的世界を期待してしまったのだけど、 これはこれでいいとも思う。 原作は壮大な話だそうなので（実は殆ど読んでない）、他にも映画のネタが転がってるのかも。 ところで、大頭は小雪に気づいてたのか？

『アンナと過ごした４日間』 (2008ポーランド) イエジー・スコリモフスキ　/ イメージフォーラム

スコリモフスキと言う人がまだ生きていて、まだ新作を撮っていて、しかも日本公開されるなんて、 なんと有難い事だろう。 映画が始まると真っ先に目に飛び込んでくるのがパウロ・ブロンコの名前で、 ああ、この人のプロデュースなんだと既に感激。 こういうプロデューサがいて、こういう監督がいるからこそ、映画はまだまだ頑張れるのです。嬉しい。 作品も期待に違わぬ素晴らしさで、この緊張感、この静謐さ、この美しさ、 まさに映画とは何かを６０億人の人類に伝えてくれる傑作。 自閉症気味の孤独な主人公がアンナという女性に片思いする映画。 彼の純愛は確かに異常なんだけど、共感させずにおれない。 しかし最後の壁は残酷だな。小津の「一人息子」の閉じられた扉と同じくらい残酷だ。 スコリモフスキの味わった苦難を思わず想像してしまう。