白神山地

９月の５連休は遠出しようと思うけど、どこがええ？とウチのヤツに聞くと、間髪を入れず「白神山地！」との答。もちろん私に異存のあろう筈もなく、初の東北遠征となりました。青森県深浦町、秋田県八峰町。

９月２０日：十二湖探索

前日夜に横浜の自宅を車で出発、環八のどえらい渋滞を抜け東北道を北進、仙台付近のパーキングで車中泊。翌朝は晴れ、宮城や秋田の広大な田圃に実った稲の美しさに感激し、紺色の日本海のリヴィエラを凌ぐ美しさに感激し、気分高揚で十二湖に着いたのは１１時半頃。王池のほとりの駐車場に車を留める。


周遊道	面子坂ノ池	大池

王池から日暮ノ池の南側を回ってリフレッシュ村に向かう。家族広場から糸細ノ池に南下する道に分け入れば、ぱたりと人影が途絶え我々だけになった。広～い周遊道だが、面子坂ノ池への分岐から南側はワイルドになる。踏み跡も徐々に細くなるが、迷う事はなく面子坂ノ池、そして大池に着く。

大池のほとりでやっと他のハイカーとすれ違う。前に見えているのが崩山らしい。濁池のほとりをかすめて北上、金山の池を過ぎ、長池方面に向かうつもりだったが、分岐を見逃したらしく糸細ノ池に戻ってしまう。まぁ、いいか。運転の疲れもあるので、今日はこれ位にしといてやろう。時刻は１４時、軽い足慣らしは終了。


崩山?	周遊道

食事の後、２，３軒宿を探すも勿論満室、やはり道の駅「はちもり」で車中泊する事になった。宇宙のような星空の下、ついついバーボンを飲みすぎてしまう。

９月２１日：白神岳

ぐっすり眠って翌朝５時起床、ラーメンを腹に入れて６時過ぎに出発、昨日下見しておいた白神岳マテ山コース登山口に向かう。広い駐車場には既に２０台程も車が留っていて、かなりの人気。我々が準備している間にも、続々と車が到着する。オーソドックスなマテ山コースを登るべく、我々も登山者の列に加わる。６時２５分、天気は曇り。


森！	樹！	茸に覆われた枯れ木

林道の終点まで歩くとそこが登山口。記帳所があり、住所氏名を書いて登山開始、原生林の中に突入。３０分程で二股コースとの分岐に出るが、我々は簡単なマテ山コースを選ぶ。どうも昨日バーボンを飲みすぎたらしく、やたら喉が渇き、幾つかある水場に着くたびにゴクゴクと喉を潤す。巨大なブナの樹、キノコに覆われた枯れ木を見ながら、７時５５分最後の水場、８時３０分マテ山と順調に歩を進める。前後に登山者は結構いるが、団体はいず、皆好ましいハイカーだ。

マテ山からは暫く道が平坦になり、森の中をゆるゆる進める。最後に稜線に出るには急登を登る事になるが、本日の標高差千メートルを考えると想像出来る範囲内で、１０時１０分に稜線に到達、遂に「世界遺産」白神山地を目にする事が出来た。ここから白神岳頂上までは世界遺産核心部の境界線を歩く事になる。核心部には許可を取れば入れるのだが、我々のような一般ハイカーが入って自然を汚すのは躊躇われるし、そもそもそんな体力も無いので、勿論真っ直ぐ白神岳山頂を目指す。


深浦の海岸線	稜線から核心部	下山道

稜線上の立派なトイレを過ぎ、トイレより小さい避難小屋を過ぎればすぐそこが頂上だ。大勢のハイカーと共にパンの昼食休憩。曇り空の下なので昨日のような紺色ではないが男鹿半島から深浦方面までの海、振り返ればブナの原生林が見えるアッパレなロケーション。１１時までゆっくり休憩。

ここから二股コースで下ってもいいのだが、うちのヤツの膝の具合がいまいちなので、帰りもピストンでマテ山コースを下る事にする。１１時に下山開始。北側にツンと見えているピークは岩木山だとすれ違ったハイカーに教えて貰った。

後はぐんぐん下るだけ。１２時４５分にはマテ山、最後の水場で一度休憩を取っただけで、１３時５５分には二股コースとの分岐、１４時２５分に登山口、３５分に駐車場に無事帰還。天気はずっと曇りのままで持ち堪えてくれた。おいしいアマダイや焼きイカの夕食後、またまた道の駅で車中泊。

９月２２日：二ッ森山

これだけで帰るのは寂しい、でももう歩くのはしんどいとの事で、今日は片道４０分で緩衝地域内を歩いて核心地域の境まで行ける簡単コース、二ッ森山に登る事にする。秋田県側の１０１号からよく整備された青秋林道を辿って７時前に登山口の駐車場に付く。残念ながら小雨が降っているが、４０分位ならどうと言う事もなかろう。


ピーク	霧の駐車場

足元はよく整備された、しかし広くない登山道を登ると、直ぐに青森県との県境を越える。森を分け入るようにして一度コルに降り、ちょっとした登りに耐える。雨も激しくなってきたが、雷は鳴ってないので我慢して登る。７時４５分、早くも二ッ森ピークに到達、やっぱりガスで何も見えない。写真だけ撮ってそそくさと下山。

ここまで誰にも合わなかったが、秋田県に戻ってから若いお兄ちゃんとすれ違った。８時３０分に駐車場に戻ると、さらにカップルが一組、これから登るとの事。要するに静かな山でした。

二ッ森を降りてからは暫く秋田方面に走り、野菜市でお土産を買い昼食を取り、名残惜しくも帰路に着きました。初めての東北地方の登山で、私自身東北に足を踏み入れたのは２０年ぶりでしたが、横浜からどれだけ時間をかければ行けるか確認出来ました。関西から行く事を思えば無茶苦茶遠い訳でもないので、東北、出来れば年一回行きたいですね～。